チェーンソー防護ズボンの規格について
皆様、チェーンソー防護ズボンの規格についてご存じでしょうか。ISOを始め、ENISO、JIS等、いろいろな国で規格が発行されております。チェーンソー防護ズボン、チャップスを利用されている方々、規格を存じ上げない方々のために、規格についての基礎知識を以下に記載致します。
ISO、ENISO、JISの違いについて
- ISOとは、「国際標準化機構」の事です。
世界165ヵ国(2014年)の投票で決まる国際的な規格です。 - ENISOとは、「欧州規格」の事です。
国際標準化機構の規格を内容を変えずにそのままDINとして採用したものです。 - JISとは、「日本産業規格」の事です。
国際標準化機構の製品に関してのみ、翻訳して日本に合わせた産業規格となっている。
現在の日本におけるチェーンソー防護服の規格
- JIS T 8125-2:2022(2022年9月改正)
手持ちチェーンソー使用者のための防護服-第2部:脚部防護服 - 改正前の旧JIS規格(2009年4月改正)
JIS T 8125-2:2009≒EN381-5 - 現行チェーンソー防護ズボンのJIS規格以外との関係について
≒ENISO11393-2:2019
≒ISO11393-2:2018
(相違点はエルゴノミクス試験、表示、製造業者が提供する情報など、
JIS規格はより日本人に適した具体的な規定や表現に優れているといえる)
改正後のJIS T 8125-2:2022の主な変更点
- 防護性能がJIS T 8125-2:2009より向上した。
- チャップスが新たにタイプBに加わった。
- 防護範囲が拡大した
- 買い替えについて
2024年1月1日からは新JIS(JIS T 8125-2:2022)にすることが望ましい
ご質問頂いた事項について記載致します。
- すぐに変更しなければいけないのか?
- 防護ズボンの安全性が向上したので、可能な限り早い段階で変更するほう良いですが、交換時期がきてからで良いです。
- ISO・ENISO・JISにランクはあるのか?
- ランクはございませんが、ISOは国際規格、ENISOは欧州規格、JISは日本の規格です。
国際規格を基に日本はJIS規格を施行しております。
- CLASS1ってなんでしょうか?
- 切断抵抗性のことで、チェーン速度によって次の3つのクラスに分類されております。
クラス1=20m/s ± 0.2m/s(チェーン速度20m/秒)(時速に換算すると72km)
クラス2=24m/s ± 0.2m/s(チェーン速度24m/秒)(時速に換算すると86.4km)
クラス3=28m/s ± 0.2m/s(チェーン速度28m/秒)(時速に換算すると100.8km)